
11泊12日間の旅程で私達はミャンマー人ガイドのトンさんと乗用車で
ヤンゴン・インレー湖・マンダレー・バガンと周った。
舗装された道路もあるにはあるが砂利道や埃のまう道を通った。
峠越えをする日もあった。羊や牛の群れをよけ、のんきに寝ている野良犬をよけ
ながらのドライブ。
どれもこれも普段見ることのできない風景で目が奪われた。
そんな道中、車の中ではトンさんと互いの国の文化や習慣の話で盛り上がっていた。
事実を書くと盛り上がっていたのはインダ君(夫)で私は5時間のドライブであ
ればそのうち1~2時間はうとうと夢の中。そしてぼぉっと想像の世界へ
トリップすることが大好きな私にとって車中は最高の空間だった。
何を想像していたかはもちろん秘密であるが・・・。
様々な話題の中で驚いたことは、サッカーのヨーロッパリーグがミャンマーで
人気があること。
中でも攻撃的なプレーであるプレミアムリーグが一番人気。
その次がリーガエスパニョーラ。
イタリアサッカーについてはトンさんインダ君ともに
「守りのサッカーだから眠くなる」という意見で一致していた。
話が盛り上がるミャンマー人とスペイン人を後部座席で見ながら国境を
越えた素晴らしい交流に感動しながら寝ていた私。(反省)
旅行中はリーグの試合に加えて、チャンピオンズリーグの予選があった。
トンさんは数人の友達と試合の度に賭けをやっていて、具体的な得点を自分で設
定して小銭を賭ける。
得点がピッタリ合わないと勝ちにはならないらしい。当たる確率がとても低いけ
れど、「またすっちゃった」と言う彼はとても楽しそうだった。
なかなか勝てないけれど笑顔は清々しい。
試合の結果をインダ君とあれこれコメントし合っている時の彼の顔もまた笑顔で
いっぱいだった。
思わぬところに大きな共通点があり私達は驚いた。3年前、カンボジアやベトナ
ムを旅行したが、その時も国境のパスポートコントロールに並んでいる時、
インダ君(スペイン人)、日本人、イスラエル人、イギリス人でチャンピオンズ
リーグの話で盛り上がる光景を見たことがあった。
なかなかどうしてヨーロッパサッカーは世界共通の話題となっている。
MOTO GPはまだまだかな?ちょっと嫉妬したりして。比較してもしょうがないか。
そしてもっと興味深かったことは、トイレ休憩や食事でいろいろな村に
立ち寄ったが、インダ君の顔を見ながらトンさんに何やら質問している
人達を行くさきざきで見た。
「この人はどこの国から来たの?」
「スペインのバルセロナからだよ」
どこでも反応が一様で「おぉぉぉ~ バルサ♪バルサ♪」 と満面の笑みで
迎えてくれた。
中には「エトー!エトー!ナンバーナイン!」と言って喜んでいた子供達も
いた。
マドリッドよりもバルサファンによく出会った。きっとインダ君がバルセロナ
出身だから反応がバルサになるのかもしれない。
いずれにしても人々とは共通の言葉がないので直接会話を交わすことができな
かったけれどチーム名や選手の名前を連呼してくれることで何かコミュニケー
ションは取れていたと思う。
私達も同じようにバルサ、バルサと連呼して笑顔を返した。
いろいろな所で出会った彼らの笑顔が忘れられない。
軍事政権の国であり、発展途上の国であるため私達の生活レベルとは雲泥の
差がある。
娯楽や贅沢品などほとんどない。夜は街灯さえあまりなく足元が暗い。
小さい個人商店では店先でロウソクを灯している。
それでも人々は肩を寄せ合って話しをしているし、子供達が遊びまわっている。
そして笑顔が溢れている。
どの職業の人を見てものんびりしている様子でストレスという言葉が存在するの
かな?と思った。
きっと私達には想像できないところで彼らなりの問題があって苦労をしているに
ちがいない。
でも人々が幸せそうに見える。田舎へ行けば行くほど物がないのに、田舎へ行く
ほど人々が幸せそうに見える。
トンさんによると、農業国のため食べることには困っていない。
今日の稼ぎがあってカレーとご飯が手に入ればそれでいいという考え方らしい。
私達は贅沢品や多くの娯楽に囲まれているにも関わらず、すぐ飽きてまた別の新
しい物を求める。
そしてこれが当然にまかり通っている。私達の物を大切にする心はどこをさ迷っ
ているのか。
ミャンマー滞在中は忘れていた何かを振り返える良い機会となった。
そして普段の生活に戻った今は、「本当の幸せとは何か?」を考えている。
答えなんか出ないけれどずっと考えている。
ミャンマー人にとっての娯楽であり、笑顔のもとであるサッカーを彼らがずっと
楽しめますように。
来年のプレシーズンオフにはどこかスペインのチームがタイにでも行ったついで
に飛行機で1時間のミャンマーに足を伸ばして、無料で試合をやってくれない
かなぁ~と願ってみたりもする。